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見当山とエベレスト

執筆者 | 6月 21, 2023 | コラム | コメント0件

令和2年に入り、ミュゼのシェフになって15年の節目と、次男坊の小学校入学を控え特別な想いがあった。

そんな中、我々日本のフレンチ業界に大きなニュースが飛び込んだ。遂に念願だった本国フランスでの日本人シェフによる三ツ星レストランが誕生した。世界の最高峰の一角に名を連ねた「レストラン KEI」小林シェフ。「私は富士山ではなくエベレストを目指したかった。」と語った喜びのスピーチは、歴史が動いた瞬間だった。

同じ頃、日本では恵方巻きの時期であり、ニュースキャスターが食品ロスを伝えていた。日本は残飯排気量が世界一、農薬の量や食品添加物の数、水道水の塩素濃度も全てワースト世界一。レストランでも近年アレルギーのオーダーが劇的に増えた。悲鳴を上げる自然、元気のない若者。すべてが関係している。

折り返した僕の料理人人生。息子達世代に命を繋げるために、これまでのキャリアを生かして様々な活動に取り組もうと思う。料理以外の僕の取り柄は声が大きい事くらいだが、食の力を信じ、星の輝く標高53mの見当山から声が枯れるまで叫び続けたい。